きっとこれが最終章。
長文の3部作、お付き合いありがとうございます。
つづきです。
実際どうしたら音楽でイライラや落ち込みを改善できるのか。
失恋した時に失恋ソングを聴くのはどうして理にかなってるのか。
日常のなかでイライラしたり落ち込んだりしたとき、みんなはどんな方法で発散してるのか。
15人にアンケートをとってみました。え、少ない?
15人にストレス発散法について聞いてみると、そのうちの5人、約30%の人が音楽に関連するストレス発散法を選びました。
カラオケ、車で大声で歌う、楽器演奏などなど。
これだけでも音楽を聴く、または歌う、演奏することでストレスが緩和されている人が居る事が分かります。
次に辛い失恋場面を思い浮かべてもらい、その時に聴く音楽とその理由を聞いてみました。
その結果、失恋した時にスローテンポで失恋ソングなどのバラードを聞く人が8名で53%、アップテンポで明るく元気な曲を聞く人が4名の26%。理由として、失恋ソングなどを聴く人のうち5名は「歌詞が良いから」と答え元気な曲を聴く人は「リズムとテンポが良いから」と答えています。
聴いた後、自分の感情はどうなったかと聞くと、失恋ソング組は「落ちるところまで落ちて散々泣いたけど、その後は気持ちが楽になってスッキリした」など、ネガティブな感情を改善出来たと思えるコメントが多く、逆に元気な曲組は「気分を紛らわせられるがその後スッキリ治るわけではない」など、あまり改善できてないと感じるコメントが多くありました。
一見、気分が落ち込んでる時に元気な曲を聞いた方が、ネガティブな感情を改善できそうですが、なぜ、より落ち込むような失恋ソングを聴いた方が改善、緩和できているのか。
それは音楽療法の中で最も基本とされている「同質の原理」が関係していました。
「同質の原理」とは、音楽療法の先駆者とされる医師、アルトシューラーが提唱した原理で、「対象者の持っている情緒やテンポに合わせることによって、より大きな発散が得られ、またより低次の水準から、より高次の水準の音楽へと段階的に上げていく」という技法。
これは悲しい時には悲しい音楽を聞き、徐々に明るい音楽を聴くようにしていけばネガティブな感情やストレスを少しずつ改善、緩和出来ることを指しています。
人は共感されると安心感を覚えるため、その時の感情によく似た音楽を聴くと共感されたと感じ、回復に向かっていけるんです。
アンケートで失恋ソングを選んだ62%の人たちが、選んだ理由として歌詞が良いからと答えたのは、その曲が自分の感情を代弁してくれている、共感してくれていると知らずに感じ、安心感を覚えていたからではないでしょうか。
リズム、旋律などの音楽と、歌詞、言葉の相乗効果です。
しかしながら残念なことに、この法則に乗っかれない人たちが。
それは音楽を仕事にしてる人や音楽活動を行っている方々。
一概には言えませんが、インタビューに協力してくれた音楽関係の友人たちはネガティブな感情が改善しているとは思えないコメントが目立ちます。
それは音楽が「研究」の対象であったり、自分の「表現方法」であり自分の「評価」につながる為。
また同じ演奏を行う場面でも、音楽療法の際にはきちんと”受け止め役”が存在し、音で対話し、精神の安定を図れますが、ライブとなると毎回そうはいきません。
ということでまとめ!
1音楽を聴くことで感情の変化はどうして起こるのか
▷音楽自体、または音自体が特定の感情を喚起させるのではなく、様々な音楽の持つ要素と、喚起するまでの要因とが組み合わさることで感情は喚起され、感情に変化が生じる。
2実際に音楽は私達にどのような影響を与えているのか
▷音楽療法や医学的治療場面などで、音楽を能動的、または受動的に扱うことにより、コミュニケーションの確立、症状の改善、精神の安定など、様々な影響を与えられる。
3音楽を聴く、または演奏することでネガティブな感情が改善できるのか。
▷音楽療法や同質の原理を利用すれば改善できるが、音楽活動をしている人としていない人では音楽活動をしている人の方が改善が困難であると思われた。
でした!
長々と自己満のレポート残しにお付き合い頂きありがとうございました*
ということで、落ち込んだ時はとことん落ち込んで、
悲しい音楽を聴いて、映画見たり、涙して、自分の気持ちをしっかり共感させてあげた後にまた頑張りましょう。
ごまかして無理するのはかえって長引かせるだけ。風邪と一緒です。
お大事に。